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自己破産すると退職金はどうなるの?

2015.07.08 自己破産


自己破産する際に自分の財産としてカウントすべきもので、見落としやすいのが退職金の見込み額です。
まだ具体化していない請求権ではありますが、財産とみなされてしまいますので手続の中でどのように扱われるのか知っておきましょう。

退職金がいくらなのかを報告する義務がある

自己破産手続きの中では、申立書や陳述書と一緒に各種の財産に関する書類を添付して裁判所に提出しなければなりません。この財産に関する書類の中に「退職金見込額証明書」というものがありますが、これを会社の経理などに依頼して出してもらわなければなりません。
人によってはこれが「会社に破産することがばれてしまいそうなので頼むことに抵抗がある」と思ってためらうこともあるでしょう。どうしても頼むことができない状況であれば、就業規則に基づいた計算書をつけて代用するか、発行できない理由を裁判所に説明して免除してもらうしかありません。
しかし、基本的には出さなければならないものですから、ローンの申込など別の理由をつけてでも発行してもらう努力はするべきでしょう。

どのような形で処分されるのか

退職金というのは法的にみると、賃金の後払いという性質を持っています。ですから、やはり賃金と同じく会社に対する債権であり、財産権のひとつといえるのです。
もし自己破産中に退職しなかった場合は具体的に退職金は手元に入っていないのですが、それでも破産手続きにおいてはその8分の1が20万円を超える場合はその金額を払わなくてはなりません。とは言っても、やはり一括で支払うことは難しいため、何カ月かかけて積立をして支払うことが現実には多いようです。
もし、破産手続の申立前に退職したとすればすでに退職金は具体的な金額になって手元に入っていますので、自由財産(手元に残せる財産)と認められる部分を除き、配当しなければならなくなります。

会社を辞めることが強制されるわけではない

たとえば、高額な退職金が予定されている場合、特に仕事を辞める必要がなくても退職しなければならないのでしょうか?もしそうだとすれば次の仕事が容易に決まらない場合、破産者の経済的再生を目的とした自己破産制度そのものが矛盾することになりますので、退職が強制されるわけではありません。
ただ、やはり財産権としての退職金が存在する以上は一定額を配当に回すことが必要なので、退職金見込額の8分の1相当は何らかの形で配当財産に入れなくてはなりません。上記に挙げた月々の収入から積み立てる方法のほかに、たとえば会社に退職金債権を買い取ってもらったり、退職金を担保に借り入れて借り入れするなどしてそのお金を破産財団に入れるという方法もあります。


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