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闇金の法外な高金利設定とは?

2021.10.31 闇金


闇金の金利はとても高く、一度利用してしまえばなかなか抜け出すことができなくなります。

闇金を利用すれば、ますます自分を追い詰めることになってしまいます。

この記事では、お金に困って闇金を利用しようかと悩んだ時にまず考えていただきたいことを解説します。

そして、闇金を利用して困った時には、弁護士・司法書士などの専門家に相談しましょう。

闇金の金利設定は非常に高い

正規の貸金業者であれば利息制限法に定められた上限金利を守っているため、高くても年20%が上限です。

一方闇金は利息制限法などおかまいなく貸し付けるので、闇金の金利は安くてもトイチと言われています。

トイチを年利で計算すると365%です。10万円借りて1年経つと利息だけで36万5,000円も払わなければなりません。

どれだけ高いかわかりますね。

法定内金利の上限

貸金業法では利息制限法を守るように規定されており、利息制限法では貸付金の金利を次のように定めています。

借入額の元本が10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%です。

闇金の実際の金利

闇金の金利は以下のようにトイチやトサンと呼ばれています。

10日で何割という意味ですが、定義通りに払うといくら払うことになるか計算します。

トイチ

10日で1割の利息を払います。
1割というのは10日で10%なので1日ごとに1%の利息がついていきます。
今のところ住宅ローンの相場が年利で1%程度です。
10万円を10日で元利金合計だと11万円になります。

トニ

10日で2割の利息を払います。
10万円を10日で元利金合計だと12万円です。

トサン

10日で3割の利息を払います。
10万円を10日で元利金合計だと13万円です。
30日で利息が9万円になり、ほとんど借り入れた元金になっています。

トヨン

10日で4割の利息を払います。
10万円を10日で元利金合計だと14万円です。

トゴ

10日で5割の利息を払います。
10万円を10日で元利金合計だと15万円です。
借入から20日で利息が10万円となり借り入れた額と同じになります。
30日経てば15万円の利息になります。

トジュウ

10日で10割の利息を払います。
10万円を10日で元利金合計だと20万円です。
トジュウだと10日後には借りた額の倍の額を返さなければなりません。

適法業者との金利比較

適法業者とは貸金業法に基づいて営業をしている業者を言います。

貸金業法では利息制限法を守るように決められているので、貸金業者は利息制限法に定める上限金利を超えない利息を請求します。

実際に請求する利息は貸金業者によって異なりますが、年3~18%の金利が一般的です。

消費者金融で大手と言われる業者と中堅の業者を比べると、大手業者の方が若干低めの金利で貸付をしています。

これは貸し付けるときの基準が中堅の方が緩くしている分、貸し倒れリスクが高くなるのでリスクヘッジをとっているためです。

正規業者と比べて闇金業者の場合は安くてもトイチで、年利計算だと365%になります。

どれだけ多くの利息を払わなければならないかわかります。

実際に10万円を闇金業者で借りた場合と法定金利で借りた場合の返済額の違いをみてみましょう。

ここでは実際の闇金業者が計算する複利計算の方法で計算しています。

また法定金利は年利を、1年を365日として日割計算をしています。

  トイチ(10日10%) トサン(10日で30%) 法定金利(年18%)
10日 110,000円 130,000円 100,493円
20日 121,000円 169,000円 100,986円
30日 133,100円 219,700円 101,479円

 

闇金の多くは複利

先に計算した「闇金の実際の金利」は単利での計算です。

利息計算の方法には単利計算と複利計算とがあります。

ほとんどの闇金業者は複利で計算しているため、複利計算だとさらに高い利息となってしまいます。

複利計算とは、発生した利息を元金に加えて再計算を行なう方法です。

例えば上記の表は複利計算の方法で、トサンだと30日後に219,700円となっていますが、単利計算だと3万円×3=9万円となります。

元利合計すると19万円で複利計算との差は29,700円もあります。

単利と複利では返済額が倍以上変わることも

トゴの約束で単利と複利ではどれくらい違うのか計算します。

単利の場合

元金10万円→10日後の利息は5万円(元利合計15万円)
元金10万円→20日後の利息は10万円(元利合計20万円)
元金10万円→30日後の利息は15万円(元利合計25万円)

複利の場合

元金10万円→10日後の利息は5万円(元利合計15万円)
元金15万円→20日後の利息は75,000円(元利合計225,000円)
元金22万5,000円→30日後の利息は112,500円(元利合計337,500円)

と、どんどん雪だるま式に増えていきます。

20日後には借りた額よりも多く返さなければなりません。

30日後の利息額(元金との差)を比べると単利だと112,500円であるのに対して、複利計算だと237,500円と倍以上の利息を払うことになります。

低金利の闇金はないのか?

『ソフト闇金』という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。「ソフト」だから金利も安いのでは?と思ってしまいますね。しかし、実際はそうではありません。

ソフト闇金でもトサン

一般的にソフト闇金とは、見た目が普通のサラリーマン風で対応も親切な闇金のことを指します。

自ら『ソフト闇金」と名乗ってサイトを作っている業者もいます。

お金を借りるときに審査はほとんどなく、借りられる金額は数万円程度で、金利は闇金と変わらず法外。つまり、普通の闇金と同じです。違うのは『見かけ』だけです。

ソフト闇金でもトサンの利息を請求するのが一般的です。

ソフト闇金でも通常の闇金と同様に、貸付の際に手数料名目で借入金から利息と一緒に差し引いた額を渡されます。

例えば1万円を借りた場合に、手数料を3,000円、トサンでの10日間の利息3,000円を差し引かれた残り4,000円が渡されることになります。

低金利の闇金がない理由

そもそも法定金利で貸し付けるのが目的であれば、きちんと貸金業法にもとづき貸金業の登録をすれば良いのですが、それをしないから『闇金』なのです。

闇金融を利用する人は、返済能力や信用情報に問題があるために銀行などの金融機関や消費者金融から借りることができない人が多いです。

貸し倒れのリスクが高いために、元金分を早めに回収して損がでないようにしたいのです。

高利であれば、例えばトゴで20日間貸せば利息の支払いだけで元金分の回収ができます。

逆に言えば、借りた人は元金分を返したのに計算上は利息だけを返して元金はそのまま残っていることになるのです。

元金を回収してしまえば貸金業者に損はなく、あとは完済するのを延ばせば延ばすほど利益が膨らんでいくことになります。

完済できないシステム

闇金業者は高い利息で利益を得ることが目的ですから、早く返されると利益がなくなります。

そのため、できるだけ長く利息が得られるように、借りた人になるべく完済させないように画策します。

例えば、完済したい場合にはあらかじめ「いつまでに」連絡するように約束させながら、借りた人が実際に完済をするために連絡するとわざと「その時が過ぎるまで」電話にでないようにします。

そこで、事前に連絡しなかったから完済できないと言われてしまうのです。

ひどい業者だと、自分がでなかったのに約束通り返さなかったと延滞金を請求することもあります。

延滞金の請求も完済をさせないための手口です。

1回の延滞について数万円の延滞料金名目で借金を膨らませて、いくら払っても現実には元金を減らさせないようにしてきます。

闇金からの借金は返済義務はない

闇金から高利で借りたお金は元金も利息も返す必要はありません。

従来から、違法な高利による貸付にかかる元金は不法原因給付により返還義務がないとされています。

これは民法708条の規定から、違法とわかっていて高利で貸し付けたお金を返してもらうのに法律は手助けしないという規定です。

利息についても利息制限法により、上限利率を超える利息は無効とされているので返済義務はありません。

また闇金対策法において年109.5%を超える金利での貸付は無効で、利息について払う必要がないと法律で明確に規定されました。

どうしてもお金が必要でも闇金には頼らない

「闇金は利息が高いのはわかっているけど、目の前の支払いに困っているから仕方がない。」

切羽詰まって闇金に頼ってしまいたいところですが、今一度次のような方法がとれないかを考えてください。

過払金の見直し

ブラックリストに載っていたり、総量規制(*1)にかかって消費者金融から借入ができないということは、今まで多額の借金をしてきたことを意味します。

長期間に渡って借入と返済を繰り返していた場合には過払い金が発生している可能性があります。

過払い金が発生していれば貸金業者に対して過払い金の返還を求めることができます。

過払い金の計算が複雑で難しいと感じるなら、弁護士や司法書士に相談してみましょう。

債務整理の相談は無料で受けてくれる弁護士や司法書士はたくさんいます。

*1総量規制
返済能力を超える貸付を制限するために、年収の3分の1を超える貸付けは原則的に禁止されています。

例えば、年収300万円の人に貸金業者から貸付できる合計額は最大で100万円と制限されています。

ただし、銀行などからの借入金はこれとは別に計算されます。

生活福祉資金貸付制度の利用

ブラックリストに載っていたり総量規制により借り入れができない場合には、生活を立て直すための資金を国が用立ててくれる制度があります。

『生活福祉資金貸付制度』や『緊急小口資金」です。

全国社会福祉協議会が窓口になっていて利用の相談をすることができます。

生活費や日々の資金繰りが苦しい時に融資をしてもらえます。

使途や上限金額は決められていますが、ブラックリストに載っていても借りられます。

融資制度の例として、連帯保証人を用意できれば無利子でお金を借りることもできます。

連帯保証人になってくれる人がいなくても年1.5%の金利で借入ができます。

まとめ

警察は民事不介入が原則となっているので、基本的にはお金の貸し借りのトラブルには対応に及び腰です。

しかし、返済が滞って激しい取り立てにあっていたり、暴力事件に発展した場合には、警察に対応してもらえる可能性が高くなります。

違法性を説明するために借入の契約書や返済明細書などを準備していくと対応がスムーズになります。

また、弁護士や司法書士にも闇金問題を相談することもできます。

闇金業者は違法貸付だとわかっているので、弁護士や司法書士が連絡すれば取り立てがすぐに止まる可能性があります。

弁護士や司法書士に相談すると借りた人に代わって交渉してくれることがメリットです。

違法な高利だから元金も利息も返す必要がない!と個人で交渉するのは危険です。

かえってひどい取り立てにあったり、いやがらせにあったりするのでやめましょう。


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