債務整理はどこでやっても同じじゃない! 正しい事務所の選び方
「借金解決」「債務相談」といった単語でインターネット検索すると、たくさんの司法書士、弁護士事務所が見つかります。しかしその中でも、あなたと「相性のいい事務所」と「必ずしも相性のよくない事務所」があるはずです。ここでは、あなたに「合う事務所」「合わない事務所」の見分け方をお教えします。
「借金解決」「債務相談」といった単語でインターネット検索すると、たくさんの司法書士、弁護士事務所が見つかります。しかしその中でも、あなたと「相性のいい事務所」と「必ずしも相性のよくない事務所」があるはずです。ここでは、あなたに「合う事務所」「合わない事務所」の見分け方をお教えします。
まずは、その先生が借金問題の解決を得意分野にしているかどうかをホームページなどで調べましょう。
もちろん、自分から「私は借金問題の解決は不得手です」と言う先生はいませんから、あなた自身の目で、その事務所のホームページに掲載されている記事をよく読んで、その先生が破産や個人再生まで含めた債務整理全般について十分な知識と実績を持っていそうかどうかを確認しましょう。
具体的には、「一般の方が読んでも判りやすい説明」や、「問題解決に至った具体例」が多く書かれているホームページを持っている事務所は、それだけ債務整理について力を入れている、知識や実績が豊富な事務所である場合が多いと思います。
もちろん、当ホームページもそのようなページを目指しております。もし、「ここが判りにくい」「もっとこういう記事を掲載してほしい」などお気づきの点などがございましたら、是非ご指摘いただければ幸いです。
次に、ホームページに報酬について明確に書いてあるかどうかを確認しましょう。
特に気を付けたいのは、例えば過払請求などについて、「成功報酬 ○%~○%」などと、報酬に幅のある記載がある事務所です。
このような事務所に依頼してしまうと、いざ依頼した後になって、当初思ってもみなかったような高額の報酬を請求されてしまうことがあります。(名前はあえて伏せますが、大々的に宣伝をしているような大手の事務所でもこのような幅のある表記をしているところがあります。)
実際、弊事務所にも、「ある事務所に債務整理を頼んだら、最初思っていたよりはるかに高い報酬を請求されて困っている」というご相談を頂くことがあります。
また、これも弊事務所にご相談を頂いたケースで、専門家の事務所のホームページの目立つところに「初期費用0円」と書いてあるのに、その横に小さく、「そのほかに、業者1件あたり4万円の基本報酬がかかります」といった付記があり、それに気づかないまま契約してしまった為に、後日ものすごい高額の報酬を請求された、というケースもあります。
「初期費用0円」「完全成功報酬」「安心の低価格」等のキャッチフレーズだけに惑わされず、「自分の場合は専門家に払う報酬がいくら発生するのか」をきちんと計算したうえで専門家を選びましょう。
なお、インターネットで「○○事務所」「評判」などと検索して上位に表示されるホームページは、そこに掲載されている事務所を宣伝するためのホームページが多いです。必ずしも真実が書かれているとは限りませんので、このようなページの内容も鵜呑みにしないようにしましょう。
弁護士や司法書士が何人も在籍しているような中~大規模の事務所と、弁護士や司法書士が個人で仕事をしている事務所とでは、それぞれ長所が違います。
大規模の事務所の強みは、何と言っても企業破産などの複雑な案件にも対応できる点です。たとえば会社経営者の方で、会社を破産させたいが従業員の給与や多数の取引先への支払が滞っている、といった案件の場合は、(会社の規模にもよりますが)大規模な事務所に依頼したほうが手続がスムーズに進むことが多いでしょう。
他方、個人事務所のいいところは、組織の規模が小さい分、小回りが利くところと、より親身に相談に乗ってくれる事務所が比較的多いところです。「家人に見られると困るので、郵便物は局留めで送ってほしい」「自分への電話は○時以降にかけるようにしてほしい」といった細かい要望にも応えてくれる事務所が多いですし、「別件でこんな悩みがあるのだが、相談に乗ってもらえないか」といった、借金とは関係ないのだがちょっと専門家の意見を聴いてみたい…というような相談にも、個人事務所であれば気軽に応じてくれるでしょう。
もちろん、大規模な事務所でも一件一件親身に相談に乗ってくれる事務所もあるでしょうし、個人事務所でも破産や個人再生の手続に精通したスタッフを多く抱え、複雑な案件でも問題なくこなすこともできるところもありますから、全部の事務所に100%当てはまる話ではありませんが、ごく一般的には以上のような傾向があると言えるでしょう。
「インターネットなどで専門家を検索して、よさそうな事務所が見つかったが、自宅からすこし距離がある…。」そんな場合はどうすればいいのでしょうか。お考えになっている債務整理の種類ごとに、簡単にご説明します。
●任意整理をお考えの場合
まず、任意整理(裁判所の手続を使わず、業者と交渉することで、今ある借金を月々無理ない金額での分割で返していく手続)で借金問題を解決したいとお考えの場合は、全国どこの事務所にご依頼いただいても、特にメリットデメリットは生じません。純粋に、「その事務所に依頼したいかどうか」だけを考えていただければ良いと思います。
●自己破産をお考えの場合
自己破産をお考えの場合でも、一般のサラリーマンや主婦の方の場合は、全国どこの事務所にご依頼いただいても、通常は特にデメリットは生じません。
ただし、債務額が大きくて、かつ借金の原因に非常に大きな問題がある方(例えば、一千万円以上の借金があり、しかもそのほとんどをギャンブルや投資の失敗によって作ってしまった場合など)や、事業の失敗で負債が膨らんでしまい、関係者との間で紛争が生じているような方の自己破産は、地元の弁護士の先生に依頼されるほうが手続がスムーズに進む場合が多いです。
なお、自宅近くの事務所に相談すると周りに相談したことを知られてしまいそうなので、むしろ遠くの事務所に相談したい、という方もいらっしゃいます。
当然のことながら、弁護士や司法書士のような専門家には「守秘義務」がありますので、ご相談いただいた内容や、「誰から相談を受けたか」といったことが外部に漏れることはありません。しかし、例えば地方にご在住の方で、周りが全員顔見知りの為、弁護士や司法書士の事務所に入るのを誰かに見られること自体が困る、という方もいらっしゃるかもしれません。そのようなご事情がある場合は、あえて少し離れた事務所に相談するという選択も、十分合理的な選択だと思います。
●個人再生をお考えの場合
個人再生をお考えの場合、お住まいの地域によって、近くの事務所に依頼されるほうがよい場合と、遠方でも特に問題がない場合があります。(お住まいになっている地域を管轄する裁判所がどこかに関わってきます。)
もしも、「少し自宅からは遠いが是非ここに依頼したい」という事務所が見つかったのであれば、まずはその事務所に相談の電話をかけて、「私は○○県○○市在住なのですが、そちらの事務所で扱ってもらえますか」と聞いてみるとよいでしょう。
●注意!借金問題の相談を受けられるのは弁護士・司法書士だけです!
まれにですが、弁護士・司法書士ではないのに(たとえば行政書士の資格しかないとか、単なる経営コンサルタントなのに)、あたかも自分が「借金問題解決の専門家」であるかのようなホームページを開設して、「借金問題の相談に乗ります」といった宣伝をしているケースがあります。
しかし、借金問題の相談を業務として受けてよいのは、弁護士・司法書士だけです。 借金問題の相談をするときは、必ず「弁護士」か「司法書士」の事務所にしてください。
●無料相談の電話で事務所の雰囲気を知りましょう
「この先生の事務所がよさそうだな」という目星がついたら、その事務所に無料相談の電話をしてみるのが良いでしょう。
相談の電話をすれば、その事務所の弁護士・司法書士や、ヒアリング担当スタッフの声を直接聞くことができ、その事務所の雰囲気を具体的に知ることができるからです。
●弁護士や司法書士の事務所に電話するのは怖い?
「弁護士や司法書士の事務所に電話するのはなんだか怖い」という方は多いと思います。しかし、きちんとした事務所であれば、通常、相談の電話に対しておかしな対応はしないと思います。
ですからたとえば、「借金が返せないなどと言ったら、怖い専門家から怒られてしまいそう…」などといったご心配は無用です。(もし不幸にしてそんな事務所にあたってしまったら、そのまま電話を切ってしまいましょう。)
また、「専門家に相談した時点で料金が発生してしまうのでは?」とか、「専門家に相談すると、そこから貸金業者に情報が漏れて、自分に何らかの不利益があるのでは?」といったご心配もあると思います。
もし料金が心配であれば、相談電話の最初に、「電話相談だけなら無料ですか?」と尋ねればいいでしょう。(そこで有料と言われたら、「では結構です」と言って電話を切りましょう)
「専門家の事務所に電話をするのはいいが、自分の名前や電話番号を知られるのはなんだか怖い…」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、「184」を頭につけて自分の番号を非通知にしたうえ、最初に「匿名で相談したいのですが構いませんか?」と聞いてみましょう。
もし、「匿名だと相談を受けられません」と言われたら、「それでしたら結構です」と言って電話を切ってしまってかまいません。
また、最初に電話に出た人の電話応対の態度があまりよろしくないようであれば、やはり「すみません、やはり結構です」と言って電話を切ってしまいましょう。一般論ですが、電話応対が雑な事務所は仕事も粗雑です。そのような事務所に依頼するのは得策ではないでしょう。
当然ですが、弁護士や司法書士が、自分の事務所で受けた相談の内容を貸金業者等に漏らすようなことはありません。こちらもご安心ください。
なお、たとえば弊事務所では、仮にご相談者様のご家族からのお問い合わせであっても、相談者ご本人様からの同意が無い限り、ご相談の内容をお伝えすることはしておりません。
●どうやって話を切り出せばいいの?
「相談するとしても、最初に何をどう言えばいいんだろう…」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
しかし、最初の一言は、「実は借金問題で悩んでいるのですが…」というだけで大丈夫です。借金問題に強い事務所であれば、それだけで相談内容を察して、「なるほど、債務整理についてのご相談ですね?」とか、「わかりました。ではもう少しお話を伺えますか?」等と話を引き取ってくれるはずです。
逆に、そこで「はぁ…」といったような煮え切らない態度を取る事務所は、借金問題にはあまり慣れていない事務所である可能性が高いので、そのまま電話を切ってしまってもよいと思います。
●遠慮せず、気になったことは何でも聞いてみましょう
電話したときの担当者の雰囲気に特に問題が無ければ、今、あなたが気になっていることを何でも聞いてみましょう。先ほども書きましたが、専門家が相談電話の内容を外に漏らすようなことはありませんのでご安心ください。
全国には多くの弁護士・司法書士事務所があり、その雰囲気も様々です。専門家として威厳ある態度を保つことをモットーとしている事務所もあれば、相談者が話しやすいよう、ソフトな対応をこころがけている事務所もあります。いろいろと話をしてみて、事務所の雰囲気を掴んで下さい。
相談の電話の時間は、通常30分程度かかります。借りている業者の数が多かったり、破産・個人再生といった法的手続をご希望の場合、その他特別なご事情があったりする場合は、もう少し時間がかかることもありますので、ある程度落ち着いて話ができるときに電話したほうがよいでしょう。
●強引に契約を勧める事務所には注意しましょう!
相談電話に対して、少し話を聞いただけですぐに、「ではとにかく一度事務所に来てください」とか、「とにかく一度事務所での相談予約をしましょう」「とにかく書類だけでも送るのですぐサインして送り返してください」などと、来所や契約をせかす事務所があります。
こういった、「来所や契約をせかす」事務所は、ろくに事案の検討もしないまま、まずは契約させて自分たちの報酬を確保してしまおう、という「もうけ第一主義」の運営方針である場合が多いです。
このような事務所に依頼すると後で報酬などを巡ってトラブルが発生することがありますので、よほどのことが無い限り、そのような事務所には依頼しない方が良いでしょう。
色々とご説明してきましたが、結局のところ、一番重要なのは、「その事務所を心から信頼することができるかどうか」だと思います。
借金問題の解決のためには、ときには「赤の他人にはあまりしゃべりたくない」ようなご事情でも、包み隠さずお話いただく必要があります。そういったときにものを言うのは、やはり借金の整理を依頼した専門家との信頼関係です。電話で相談して色々と話をしてみて、その結果、「この人になら、赤の他人には言いづらいことでも打ち明けられるな」と思える事務所があったなら、その事務所に借金の整理を依頼されるのが一番よいのではないでしょうか。(もちろん、その先生がしっかりとした知識と豊富な経験をお持ちであるというのが前提ですが。)