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連帯保証人は債務者の消滅時効を援用できる?

2015.11.30 時効援用


連帯保証人の立場とは?

連帯保証することについて、名前を貸しているだけだと思っている人もいますが、実際にはきわめて主債務者の責任に近く、もし債務者が支払えなかった場合には、連帯保証人も一緒に債務整理しなければならないことすらあります。
そして、恐ろしいのは、通常の保証と異なり、連帯保証の場合はたとえ主債務者に支払い能力があった場合でも債権者が先に保証人に請求してきた場合は拒むことができないことです。現実的には債権者は主債務者の支払いが滞らない限りは先に連帯保証人に請求してくることは少ないでしょうが、それだけの重い責任を負っているということは知っておくべきです。
基本的には連帯保証人は主債務に生じた事由の影響を受けます。これを、付従性と呼んでいます。消滅時効の成立を妨げる、時効中断と呼ばれる行為がありますが、これらの影響も基本的に連帯保証人に及びます。

時効の中断事由は連帯保証人に及ぶ

時効が中断する事由はいくつかあります。一つは債務者に裁判外で請求する行為です。ですが、単なる手紙や電話などでの請求だと6カ月以内に裁判上の請求を起こさなければ時効中断することはできません。債権者が主債務者に対して裁判を起こしたとすれば、その効果は連帯保証人にも及ぶことになります。
また、数年にわたって債務者が支払いを滞っていたとしても、支払いをしてしまえばその時点で時効は中断することになりますが、その中断の効果も連帯保証人に及ぶことになります。
もし支払いを滞ったまま債権者が主債務者に対して何のアクションも起こさず、時効が完成したとすると、主債務者が時効を援用することによって連帯保証人も債務を免れることができます。なお、連帯保証人は、主債務、保証債務どちらの時効を援用することもできます。

時効の援用は専門家に頼む方が成功率が高い

時効が完成したかどうかの判断は、実は難しい部分もあり、債務者が自覚していないようなことで実は中断していたということもあります。もしこのままいけば時効が完成していたというケースも完成前に下手に債権者に連絡を取ってしまったばかりに債務の承認などをさせられ、中断されてしまったということにもなりかねません。
貸金業者もプロですから、プロである法律家が慎重に対応するのが望ましいのです。債務の問題に慣れた法律家であれば内容証明の書き方や出すタイミングなどベストな方法を提案してくれるはずです。
上記に述べたように、連帯保証人は債務者とほぼ変わらない責任を負っています。時効の援用を失敗して、今までの時間が水の泡にならないよう、くれぐれも注意しましょう。


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