自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 自己破産
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
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2016.03.26 自己破産
・このような財産は差し押さえられない
たとえ借金を返済してもらえない債権者であっても、差し押さえの対象にしてはならない財産というのがあります。大きく括るとすれば、債務者が健康を維持し、最低限の生活を送るのに欠かせない物、たとえば衣類や寝具、台所用品などです。1カ月分の食糧や燃料、標準的な生活をする世帯が2カ月分暮らせる程度の金銭もここに含まれます。また、債務者が生計を立てるために必要な商売道具である機械器具など、宗教的な儀式をするのに必要な仏像や位牌など、債務者の手足そのものと同一視される義足なども差し押さえ禁止動産とされています。
また、債権についても同様の定めがあり、会社からもらう給与や賞与の4分の3や、国民年金、厚生年金、生活保護や福祉・扶養を目的とした給付は差し押さえ禁止になっています。
・破産の場合でも「身ぐるみ剥がされる」わけではない
破産すると家財道具や身の回り品まですべて持って行かれるような誤解をされている面もありますが、破産者については手続き後の経済的再生のために一定範囲の財産を手元に残せることになっています。
上記の差し押さえ禁止財産はその対象となっていますし、新得財産といって、破産手続開始決定後に新たに獲得した財産は配当に回されずに済みます。また、20万円以下の預貯金や99万円以下の現金も残してよいことになっています。ただ、この「自由財産」と呼ばれる部分の取扱いについては若干、管轄の裁判所や債務者個々の事情によって金額が上下することがあります。もしも自由財産を増やさなければならない事情(家族の数など)がある場合は「自由財産拡張の申立て」をすることによって増額が認められる場合もあります。
・振込まれた後の年金には注意
年金については差し押さえ対象財産ではないといっても若干、注意が必要です。いったん振り込まれて銀行口座に入っている年金はもはや「年金」ではなく、色のついていない「普通の預貯金」です。ですから、この状態になった時に差し押さえることができるようになってしまっているのです。
預貯金化した年金を差し押さえられないようにするためには、債務者側から裁判所に「差押禁止範囲の変更申立」という手続を取らなくてはなりません。もし、その預貯金が確かに年金の入金であると認定され、これを保持しなければ債務者の生活の維持が難しいと判断されれば申立が認められます。ただし、債権者がすでに差し押さえて取り立てを終えた後だとこの手続きを取ることはできません。