自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 自己破産
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
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2015.06.11 自己破産
自己破産しても没収されない財産があります。
いわゆる「自由財産」と呼ばれるものですが、これはどのような内容になっているのでしょうか。
自由財産の範囲はどこまでか
外国の破産法では、破産手続き開始後に取得した財産も破産財団、つまり債権者へ配当する財産に組み入れられる規定になっているところもあります。しかし、日本の破産法では、「固定主義」といって、破産手続き開始後に取得した財産は「新得財産」と呼ばれ、破産財団には帰属しないで債務者の手元に残せる財産ということになります。
また、破産手続き開始時にあるすべての財産が配当に回されるとなると、現実的に債務者が破産手続き後に生きていくことができなくなります。ですから、債務者の財産の中から一定の金額を債務者の再生のために残してもよいことになっています。
具体的には現金であれば99万円までです。なお、預貯金はこれに含まれません。この99万円という基準は、大体標準的な世帯で3か月は普通に生活できるだろうという金額です。以前の破産法では1か月程度までしか認められていませんでしたが、改正によってより債務者の再生がしやすくなったといえます。
個々の事情により拡張されることも
たとえば、極端に田舎に住んでいて、自動車がないと生活が成り立たないことが明らかな場合には自動車を取り上げるわけにはいきません。また、足が不自由な人から車いすを取り上げるわけにはいきません。
このように債務者が通常の生活を営むことができるようになるために必要不可欠と思われる部分については申し立てによって自由財産として認めてもらえる場合があります。あくまで、認めるかどうかは各地方裁判所や破産管財人の裁量にかかっているといえます。
東京地裁では拡張が最初から認められているものも
東京地裁の基準でみた場合、一定範囲のものは自由財産拡張申し立てを要せずして認められているものがあります。債務者の破産後の生活に不可欠と考えられる財産がこれに当たります。
上記に挙げた99万円までの現金のほか、家財道具、電話加入権、残高20万円までの預貯金、見込み額が20万円までの保険金の解約返戻金などです。
この基準については東京の本庁だけではなく、他の支所でも認められている所がありますが、他の都道府県ではまた別の基準を設けているところもありますので注意が必要です。