自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 自己破産
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
2015.06.16 自己破産
離婚によって慰謝料の約束を取り付けたのに相手が自己破産してしまった!
このような場合、慰謝料の請求権はどうなるのでしょうか?
離婚の慰謝料は他のものとは性質が異なることがある
慰謝料は他人に対して身体的、精神的な損害を与えた場合にその損害を償うために支払う金銭のことですが、交通事故や暴行などの慰謝料と、離婚の際に定めた慰謝料では若干その意味合いが異なります。
離婚の慰謝料が特徴的なのは、慰謝料として取り決めをした金額の中に、いわゆる財産分与や養育費に当たる部分が含まれている場合があるということです。財産分与は不貞行為などの有責な行為があったかどうかにかかわらず、婚姻中に築いた財産が夫婦の共有であることに基づいて分与される金額です。また、養育費は相手方に対してではなく、養育すべき子に対して支払われるものです。
養育費については、現在の破産法では「非免責債権」といって、自己破産によっても免責されないものとされています。子の福祉を優先するという考え方に基づくものです。よって、離婚による慰謝料を支払う義務のある者が自己破産した場合に支払い義務がどうなるのかという結論はそこに養育費が含まれるかどうかで左右される可能性もあります。
慰謝料は非免責債権ではない
上記の非免責債権に慰謝料請求権は含まれていませんが、事例によっては非免責とされることがあります。
たとえば、単なる浮気であれば免責される可能性が高いですが、DVなど悪意をもって他方の配偶者を傷つけた場合には免責されないと考えてよいでしょう。
非免責債権の範囲として「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」というものが定められており、浮気よりもDVの方が相手方に対する悪意の程度が重いと考えられるからです。
具体的に支払ができない場合は再度の調停などを行う
慰謝料の支払い義務を持つ配偶者が破産してしまった場合、たとえ免責されなかったとしても支払いは難しくなることが多いでしょう。
このような場合、どうせもう支払い能力がないからと諦めるのではなく、調停等で支払い方法の変更などを行い、現実的に可能な内容にしていくことも一つの方法です。特に養育費を含む形での慰謝料であれば配偶者だけではなく子供のための費用ということになりますから、健全な養育のためにもできる限りの方法を模索していくことが大切です。