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個人再生で住宅を残す場合の2つの注意点

2015.06.22 個人再生


自己破産の場合、住宅は手放さなければならないのが原則です。しかし、個人再生で住宅資金特別条項といって、住宅及び住宅ローンを残しながら債務が圧縮できる手続があります。ただし、それを適用する際に注意しなければならないことがあります。

住宅資金特別条項とはどんなもの?

自己破産とは一定の範囲を超える財産を処分する代わりにすべての債務を免除してもらう制度ですが、個人再生の場合、債務の残額にもよりますが一定の金額まで債務を圧縮してもらい、3年~5年の期間をかけて返済していくことになります。
自己破産による職業制限などを回避したい人にとっては望ましい制度ですが、要件として当然、圧縮後の債務を支払い続けていける収入があることが裁判所から求められます。
この個人再生手続の中で、その人が現に住んでいる建物である、住宅ローンを担保する抵当権がつけられているなどの一定の要件を満たしたものについては住宅を手放さずに他の債務だけを圧縮してもらって住宅ローンの返済を続けるという方法があります。これが「住宅資金特別条項」と呼ばれるものです。

注意点1・住宅ローン部分の減額はされない

住宅資金特別条項については、住宅ローン以外の債務は圧縮されますが住宅ローンについての軽減はありません。
ですから、圧縮されたとはいえ他の債務についても一定の金額を返済しながら住宅ローンも原則として普通に支払っていかなければなりません。
これについては、住宅ローンの返済期間を延長する、他の債務を返済している間だけは住宅ローンの返済額を少なくしてもらうなどいくつかの方法が検討されますが、もちろん期間延長などについては無制限にできるわけではありません。
住宅も残すことを望む人には個人再生は魅力的な制度ですが、すべての人に使えるわけではなく、かなり今までの生活レベルを落とさないと返済できないことも覚悟すべきです。

注意点2・返済を伸ばすと総返済額が増加する

上記に挙げたように住宅資金特別条項付きの個人再生については、住宅ローン部分の返済は今までよりも軽くなるわけではありません。今まで通りのペースで住宅ローンを返済できればよいのですが、他の債務もある場合に返済期間の延長などの方法を取らざるを得ない場合もあるでしょう。そうなると、期限が伸びた分だけ利息は多く支払うことになりますから最終的な総返済額は増加してしまうことになります。
自己破産であれば全額が免責されて生活の立て直しもしやすいにもかかわらず、マイホームにこだわりすぎて個人再生を選んでしまい、家族の生活費がままならないというのでは本末転倒ですから、再生計画に無理がないかどうかを慎重に検討することが必要です。


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