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闇金の契約書(借用書)に注意!法的効力の有無と対処法

2021.12.09 闇金


闇金からお金を借りる際に、契約書にサインしてしまったという人もいるのではないでしょうか。

実は闇金の契約書というのは法的に無効なので、契約書を盾に強引な取り立てや脅迫をされたとしても慌てて返済する必要はありません。

もっとも1度契約書にサインしてしまうと、返済しなければいけないのではと不安になる人がほとんどです。

そこで今回の記事では、闇金の契約書の法的効力の有無と、万が一サインしてしまった場合の対処法について詳しく解説していきます。

闇金の契約書

消費者金融や銀行ローンなどでお金を借りる際には、お金を貸す側と借りる側との間で消費貸借契約という契約を結ばなければいけません。

契約書に必要な金額や金利などを明示することによって、必要となるお金を借りることができます。

同じように闇金も契約書を結ぶことによって、お金を借りた人が借金を踏み倒さないようにするのです。

もっとも違法に事業を行なっている闇金では、契約書が存在しないことも多いだけではなく、契約書を結んだとしてもそもそもその契約書自体が無効であるというケースがよくあります。

そこで以下では、闇金の契約書の特徴について詳しく解説していきます。

闇金には契約書がないことも多い

以前は契約書結んでお金を貸していた闇金も多かったですが、現在ではわざわざ契約書を作成してお金を貸す闇金は少なくなっています。

SNSやインターネットを通じてお金の融資をする闇金が多くなっているため、契約書を作成せずに住所や電話番号、銀行口座が分かれば契約書がなくても融資するという手口が闇金の特徴です。

一般的な消費者金融などは、インターネットを通じて契約する場合でも後から郵送で契約書を送付したり、専用ページで契約書を確認できるようになっています。

契約書を作成せずに「即日融資可能」や「審査不要」といったことを謳っている業者は、闇金の可能性が高いので注意が必要です。

闇金の契約書は無効

闇金からお金を借りた際に「契約書にサインしてしまった」という人でも安心してください。

なぜなら闇金から借りたお金というのは、そもそも契約書があるかないかに関わらず返済する必要がないからです。

不法原因給付

闇金から借りたお金を返済する必要がない理由は、民法708条の不法原因給付という規定にあります。

この規定を簡単に説明すると以下の通りです。

「不法な原因のために給付をしたものは、その給付したものの返還を請求することができない」(民法708条)
上記の規定に則って考えると闇金は違法に営業している業者なので、そもそもお金を貸すこと自体が法律に反する行為であり、闇金側から貸したお金を返済するよう求めることはできないということになります。

このように許可を得ることなく貸金業を営んでいたり、法律に反した高金利でお金の貸付を行ったりしている闇金業者からの借金は返済する必要がないのです。

そのため契約書にサインしてしまったという人でも、お金を返済する必要はありません。

なぜ契約書を書かせるのか

闇金の契約書は無効であるにも関わらず、なぜ契約書を書かせるのでしょうか。

闇金は契約書を書かせることによって、お金を借りた人の個人情報を得ることが最大の目的です。

氏名や電話番号だけではなく、働いている仕事先の住所や電話番号、子供の通っている学校など様々な個人情報を契約書に記入するよう強いてきます。

またお金を借りた人が、返済せずに行方をくらますことを防ぐ目的もあります。

法律に反した契約でなければお金を返済する義務が発生してしまうので、書類を作成することでお金を借りた人よりも法的に有利な立場に立とうとして契約書を作成するのです。

闇金が契約書を悪用するリスク

法律上無効な契約書であれば特に問題はないと思う方も多いかもしれませんが、闇金と契約書を結んでしまうと以下のように悪用されるリスクがあります。

  • 契約内容を都合よく改ざんする
  • 契約書を盾に取り立てを行う
  • 個人情報を取り立て・脅迫に利用する

以下でそれぞれの内容について詳しく解説していきます。

契約内容を都合よく改ざんする

闇金との間で契約書を結んでしまう1番の恐ろしい点が、後から契約内容を都合よく改ざんされてしまうところです。

契約書などの専門的な文章に関してあまり知識のない一般の人にとっては、契約を締結する際にも中身を流し読みしてしまう人が多く存在します。

闇金はこういった人たちをカモにして、金利などの欄を白紙にしておき後から都合良く改ざんするのです。

闇金は契約を結んでから違法な金利を書き込むことによって、後からお金を借りた人達に対してあたかも最初から記載されていた金利を請求しているかのように振舞います。

法律に反している金利であるにもかかわらず、契約書が存在していることで反論できず返済に苦しむ人も多く存在しているため契約書には注意が必要です。

契約書を盾に取り立てを行う

お金を借りる際に契約書に記入し契約を結んでしまうと、ほとんどの人が「契約書が存在するから必ず返済しなければいけない」と思ってしまいます。

そのため闇金は契約書を盾に取り立てを行うことを見越して、融資をする際には契約書を作成するのです。

特にほとんどの人は契約書などに関連する法律に関して疎いので、契約書が絶対だと思い込んでしまいます。

もっとも上記で紹介したように闇金との間で作成した契約書は、基本的に無効なので気にする必要はありません。

契約書に記入してしまって心配な人は、弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談するのがおすすめです。

個人情報を取り立て・脅迫に利用する

契約書には電話番号や住所などの個人情報を記入することがほとんどです。

闇金はこういった電話番号や住所などの個人情報を悪用して、取り立ての際に脅迫のネタに活用してきます。

例えば、契約書に勤務先の住所や電話番号などを記入してしまった場合、闇金は取り立ての際に「仕事場に借金のことをばらすぞ」と脅迫してきたり、突然自宅に訪れて返済を強引に迫ってきたりするのです。

契約書にサインしても返済義務はない

契約書にサインしてしまったとしても、上記で紹介したように闇金に対しては法的な返済義務がありません。

そのためどれだけ契約書を盾に取り立てをされたとしても、絶対にお金を渡すようなことはしてはいけません。

闇金で契約書にサインしてしまった場合

万が一闇金で契約書にサインしてしまった場合は、以下のように対処することで大きなトラブルに発展することなく解決することができます。

  • まずは返済を止めるまたはしない
  • 弁護士・司法書士に相談
  • 警察への相談は最終手段

具体的にどのように対処すれば良いのか、以下で詳しく解説していきます。

まずは返済を止めるまたはしない

何度も強調しておきますが、闇金からの借金に関しては法的な返済義務というのがありません。

そのため契約書にサインしてしまった場合でも、その契約書は無効です。

闇金に対して定期的に返済しているという人は、すぐにでも返済を止めるまたはしないようにしましょう。

強引な取り立てや脅迫などが心配だという方は、以下でも紹介するように弁護士や司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。

弁護士・司法書士に相談

闇金で契約書にサインしてしまった場合、1番有効な対処法はすぐにでも弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談することです。

弁護士や司法書士の方は、相談を受けたらすぐに闇金に対して「今後一切返済はしない」という旨を伝えてくれます。

闇金は少しでもお金を搾り取りたいので、あの手この手で返済を迫ってきますが、弁護士や司法書士の方が「そもそも返済をする法的義務もない」ということを伝えてくれるので安心です。

万が一悪質な取り立てや脅迫などに悩まされている場合は、すぐにでも警察に捜査を依頼することを伝えてくれます。

弁護士や司法書士などの専門家が間に入ると、ほとんどの闇金は手を引くので安心して日常生活に戻ることができるでしょう。

警察への相談は最終手段

闇金に関する問題はすぐに警察に相談するべきではと思う方も多いかもしれませんが、実は警察への相談というのは最終手段にすることをおすすめします。

警察は確かな証拠がない限り、すぐに捜査をしてくれるということはほとんどありません。

また一般の人にとっては闇金に関しての相談をする際に必要な証拠というのは、どういったものか分からないため相談に行っても後回しにされてしまいます。

そのため先に弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。

弁護士や司法書士の方は、相談を受けたらどういった証拠を用意すべきなのか教えてくれるので、警察への相談も効率的に進めることができます。

もっとも強引な取り立てや脅迫などで実害を被っている場合は、すぐにでも警察へ相談してください。

どうしてもお金が必要でも闇金には頼らない

ここまで紹介してきたように闇金からお金を借りてしまうと、強引な取り立てや脅迫に苦しみ日常生活にまで大きな影響が出てしまいます。

どうしてもお金が必要な場合でも、闇金には頼らず他の方法を選択しましょう。

以下では、お金が必要な際に有効な選択肢をいくつか紹介するのでぜひ参考にしてください。

消費者金融を利用

どうしてもお金が必要な場合、闇金ではなく消費者金融を利用しましょう。

例えば、CMなどで有名な消費者金融は許可を得て営業しているので、安心してお金を借りることができます。

強引な取り立てや脅迫に苦しむこともないので、お金が必要になったらまず闇金ではなく消費者金融の利用を検討しましょう。

過払金の見直し

これまで何回か借金の経験があるという人に関しては、過払い金の見直しをすることもおすすめです。

平成19年以前から、消費者金融などで借入や返済などを行っている場合、過払い金が発生している可能性があります。

過払い金が発生している場合、お金を借りた業者に対して返還請求をすることができるので、ある程度まとまった金額を捻出することが可能です。

心当たりがある人は弁護士や司法書士などの専門家に相談してみましょう。

生活福祉資金貸付制度の利用

生活福祉資金貸付制度とは、低所得によって生活が困窮している人たちに対して、一時的に必要なお金を貸し付けている国が設けた制度です。

これまで消費者金融などを利用してブラックリストに乗ってしまっている人でも、問題なく利用することができます。

まとめ

今回は闇金の契約書に関して、その法的効力の有無や対処法について詳しく解説してきました。

闇金で契約書にサインしてしまったという場合でも、その契約書は基本的に無効です。

契約書を盾に取り立てを迫られたとしても、お金を返済することは絶対にしないでください。

万が一闇金で契約書にサインしてしまい不安だという方は、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。

大きなトラブルに発展することなく円満に解決することができるので、現在契約書を盾にした闇金の強引な取り立てや脅迫に苦しんでいる人は、すぐにでも専門家に相談してみましょう。


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