自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 闇金
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
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2021.10.31 闇金
「闇金から借り入れを考えている」
「闇金から借りてしまったが返済できなくなっている」
その実態について詳しくわからない「闇金」という存在はどのような手口で客を集め、取り立てを行うのでしょうか。
この記事では、闇金の悪質な手口について解説します。
そもそも「闇金」とはどのようなものなのでしょうか。
闇金の特徴の一つは、出資法を大きく超える利息での貸付です。
利息の上限を定めている利息制限法・出資法では、貸金業者の貸付は年20%が上限とされています。
ところが、闇金の貸付の代表的な「トイチ(10日で1割)」という利息の場合、年利365%を超えます。
貸金業については貸金業法による規制を受けます。
例えば、賃金業者登録をする・不適切な取り立てを禁止するなどがあります。
しかし、闇金は職場に電話で取り立てをする、深夜に取り立て行為を行う、脅迫行為を行うなど、取り立て規制に違反する行為を行なってきます。
では、闇金はどんな手口を使うのでしょう。
まず、闇金がどのようにお金を借りたい人を募集するのか解説します。
自己破産や個人再生をすると、官報に氏名・住所が掲載されます。
また、債務整理をして信用情報に掲載されている、いわゆるブラックリストという状態にある人についての名簿が出回っていることがあります。
これらの情報から自宅にDMをしてきたり、携帯・スマートフォンへのショートメッセージを使ったりしてアプローチをしてきます。
スマートフォンの利用者が増えるに従って、SNSを利用する方が増えました。
その中でも匿名での利用が可能なTwitterを中心として、お金を貸してくれる人を募集して応募してくる人に貸し付ける手口が増えています。
競馬や競輪・パチンコなどの情報が載っているスポーツ新聞では、求人や広告などの募集をしているページがあります。
ここに、広告を出して募集を行います。
当然申し込みなどで足がつくことになる上に、スポーツ新聞のほうでもコンプライアンスの観点から、スポーツ新聞を使った募集は現在では数を減らしている状況です。
闇金の貸付の典型的な手口としては、5万円程度の貸付を行い10日に1割の利息を受取るというものです(トイチ)。
そして、返済ができなくなると、貸付時に申告した親族や勤務先に電話をかけるなどして、取り立てを行います。
ソフト闇金とは、トイチのような利息で貸し付けつつも、暴力的な督促を行わない者のことをいいます。
優しく、あるいは時には懇願するような情に迫る方法で返済を迫ります。
とはいえ、返済が遅れると厳しい取り立てを行うことがあり、闇金のような取り立て方をする者に債権譲渡をするなどで、どのみち闇金と同様になると考えておきましょう。
また、借り入れしたときの情報が別業者に漏らされて、新たな借入や押し貸しにつながる危険があります。
違法に取得した携帯電話・スマートフォンを使って営業をする闇金もいます。
携帯電話の電話番号が090から始まることから、携帯電話・スマートフォンを使って貸付を行う闇金のことを090金融と呼んでいます。
現在ではほとんどの闇金が携帯電話・スマートフォンを使って営業しており、あまり090金融という言葉を積極的に用いることはありません。
個人間でお金の貸し借りを行うのは自由です。
これを悪用して、個人間融資を装って警察などの目を掻い潜るこ手口で貸付を行う闇金がいます。
特徴は、名字しかわからない、携帯番号しかわからない業者が多いことです。
個人間融資掲示板に潜んでいることが多く、注意が必要です。
事業者に対してFAXなどで融資を持ちかけ、手形や小切手を担保にとる手口で貸付を行う闇金がいます。
このような闇金のことをシステム金融と呼んでいます。
手形や小切手がよく使われていた時代にはシステム金融もよく利用されていましたが、手形・小切手が利用されるケースが減り、手形の決済をするには交換所に持ち寄る必要があるため、足がつく・防犯カメラで容姿が記録されることから、その数は大幅に減りました。
闇金は貸し付けた相手から返済を迫るだけではありません。
さらに次のような手口によって、債務者からお金を搾り取ろうとします。
闇金はグループで行動することがあります。
そのため、グループ内の他の者に情報を共有して、返済が苦しくなってきた頃を見計らって、さらなる融資を持ちかけます。
闇金から借り入れをしている人の中には何件もの借り入れをしていることもり、常に返済のために奔走することになる人もいるのです。
たとえばボーナスや親族・職場からの援助があって返済したとしましょう。
そのときは良くても闇金は銀行口座の情報を持ったままです。
そのため、申し込みもないのに、銀行口座に振り込みをしてきて、返済を迫る手口でさらにお金を搾り取ろうとします。
このような手口のことを押し貸しと呼んでいます。
周囲に「また闇金から借りたのか」と信頼を失うことになってしまうため、本人は必死になって払ってしまうことになります。
融資を受けるときに、融資をするために審査料・保証料が必要というふうに持ちかけて、いくらか払わせたにも関わらず、融資をしない手口のことを融資詐欺といいます。
支払いが苦しくなって、返済件数を次々に増やしているような場合や、借り入れ時にものすごく焦っているような場合など、必死になっているところを見計らって行うのが特徴です。
返済できなくなったときに、返済の代わりに銀行口座を作ったことがない銀行に行って口座を作って渡す、携帯代金はきちんと払うので携帯電話を申し込みしてきてこちらに送ってほしい、というような申し出がされることがあります。
これに応じるのは次の理由から非常に危険です。
まず、闇金が口座や携帯電話を渡すように依頼する理由は、闇金や特殊詐欺の営業のために利用するためであり、これを闇金グループがそのまま使ったり、他のグループに売却したりします。
銀行口座や携帯電話を渡してしまうことは、闇金や特殊詐欺の手助けをすることにほかならないのです。
そのため、銀行口座は凍結されることになり、この凍結は保有しているすべての銀行口座に及びます。
携帯電話も解約されることになり、以後キャリアと契約することができなくなります。
さらには、闇金・特殊詐欺の活動に加担したとして、闇金・特殊詐欺の幇助犯や、犯罪収益移転防止法違反などで逮捕・処罰される可能性があります。
実際に、2021年3月に長崎県警はソフト闇金「メビウス」を運営するグループの首謀者5人と逮捕された13人を書類送検しましたが、摘発された計18人のうち9人はもともと顧客だった人でした。
では次に、闇金はどのような手口で取り立てを行うのか確認しましょう。
闇金の取立の手口というと、直接自宅や職場に訪問をしてきて迷惑をかける、暴力を振るうなどをイメージするのではないでしょうか。
中には女性に風俗店での勤務を強要させるようなこともテレビ・ドラマ・漫画でよく描写されます。
しかし、このような直接的な行動は、防犯カメラなどに容貌を確認され、逮捕されてしまう可能性があります。
闇金は実は、金主といわれるリーダー格の者のもとで、複数の人物がグループで行動していることが多いです。
もし一人が逮捕されることがあると、そこから芋づる式に逮捕されることになります。
そのため、このような直接的な手口は利用することは少なくなりました。
現在の闇金の取立時の主な手口は、電話やFAXによる恐喝です。
闇金から借りるときには、自分の携帯電話・自宅の固定電話のみならず、親族の携帯電話・固定電話・職場の電話などを申告します。
特に職場については、電話・FAXなどが使えなくなると業務に差し障りがあることから、慌てて返済をしてくることがあるので、よくターゲットにされます。
これらはもちろん貸金業法の取立に関する規制に違反するものですが、闇金はおかまいなしに行なってきます。
次によくやる手口がピザや寿司などの出前を頼んだり、110番通報119番通報を行ったりするものです。
一度に数件のデリバリーが届くことや、中にはデリヘルを呼ばれるようなケースもあります。
これらもスマートフォンやインターネットがあればできるので、頻繁に利用されます。
届け先が職場である場合もあります。
本人がボーナスで返済できるような場合や、たまりかねた親族がまとめて返済しようとすることがあります。
このときに、それまで闇金が使っていた電話番号に電話をしても、呼びかけに応じないことがあります。
これは闇金が電話を無視し意図的に返済させず、遅延損害金を追加で請求するという手口です。
闇金の返済は、そのときに闇金から指定される口座に行われ、常に同じとは限らないため勝手に返済ができないことで起こります。
闇金が口座を指定するのは、闇金が営業用の銀行口座を持つことができず、違法に他人の銀行口座を取得して利用している関係上、よく凍結されるためです。
闇金はあらゆる手口を使って返済を求めてきます。
今もし借り入れをしているのであれば、闇金と手を切るためにはどうすれば良いでしょうか。
実は闇金問題は弁護士・司法書士に相談し、解決を依頼するのが最良の解決策です。
闇金がもっとも嫌がるのは、営業のために使っている銀行口座や携帯電話を凍結されることです。
依頼者が闇金に攻撃されると、弁護士は銀行口座・携帯電話の凍結のための手続きをただちに行います。
そのため、闇金の中には弁護士・司法書士に依頼した段階で督促を諦めることが多いです。
万が一督促してくる場合でも、督促に使っている携帯電話を止めてくれるので、速やかに解決することが期待できます。
たまたまボーナスが出る時期であった、親族や職場が援助をしてくれる、などで完済をしてしまえば終わると思う方もいるでしょう。
しかし、完済できるほど支払えるのであれば、まだまだ搾り取りたいと考えるのが闇金です。
過去の行動パターンからお金が必要そうなときに案内をしてくる、上述した押し貸しをしてくるなどでまた返済をしなければならなくなります。
完済するのは解決にならないと考えておきましょう。
実は闇金には元金すら返済する法的な義務もありません。
闇金は出資法・貸金業法などの犯罪行為です。
そのため、闇金が債務者に貸すお金は、犯罪行為を行うためのお金です。
犯罪行為を行うのに利用された財産を相手に渡した場合に、その財産を返してもらうよう民事裁判を起こしても、不法原因給付という民法の規定によって否定されます(民法708条)。
そのため、闇金には借り入れをした元金すら返済する義務もないという結論になります。
元金を返済する必要はないので当然に利息も発生しません。
闇金は犯罪、というのであれば、犯罪を取り締まる立場の警察に相談すれば解決しないのでしょうか。
実は闇金問題を警察に相談しても、根本的には解決しません。
闇金については、警察の事件取扱の管轄の問題が難しく、携帯電話だけで営業する業者が増え、検挙が非常に難しくなっています。
そのため、闇金に対して積極的ではない警察がほとんどです。
一時的に携帯電話で闇金に対して督促をやめるよう説得することがあっても、それは24時間いつでも対応してもらえるわけではありません。
ひどいケースになると、闇金の「個人間の問題なんですが…」という言葉を真に受けて民事不介入として取り合ってもらえないケースもあります。
この記事では、闇金の手口についてお伝えしました。
闇金はあらゆる手口で貸付・取り立てを行います。
取立に悩んでいる場合には、早めに弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。