自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 時効援用
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
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2016.03.21 時効援用
・時効の扱いは滞納の種類によって異なる
借金を抱え、支払いに困っている人は多くの場合、その他の支払いも滞納しているものです。家賃や市民税、社会保険料などの支払いが滞っているケースも多いでしょう。
たとえば家賃の滞納の場合を考えてみましょう。
家賃については「定期給付債権」といって、短い期間ごとに支払われるものですが、これはそれぞれ定められている支払期から5年で時効消滅します。
ですから、毎月の支払いと定められているものを放置して、途中で時効が中断されていなければ1ヶ月ごとに古い家賃から時効が完成していくわけであり、時効援用することによって支払いの義務がなくなることになります。
また、市民税については徴収権が5年で消滅することになっており、これは時効援用をしなくても自動的に消滅するのが他の債権と違うところです。
・税金の場合は多くの場合に時効が中断されている
ただ、5年で自動的に消えるとはいっても、役所側が時効完成を前に手をこまねいているわけではありません。
役所によりどのくらい待ってくれるかという期間の差はあれど、何らかの形で時効を中断させるための措置を取ってくるはずです。
最初の段階では手紙などで督促してきますし、それに対してリアクションがなければ電話がかかってくることになります。
それでも支払いの意思を見せ、相談に行くなどのことがなければいよいよ納税義務者の資産を差し押さえざるを得ないのです。
サラリーマンの場合、手っ取り早いのが給料の差し押さえですが、これが行われれば勤務先にもばれてしまいます。
また、預貯金を差し押さえられれば即、生活に困窮することもあります。
ですから、税金の場合は時効狙いで放置するよりも早い段階で現実的な分割払いの設定をする方が解決方法としてはベターなのです。
・時効援用だけで解決しない場合、他の方法も検討する
マイホームを持つ人がその維持にこだわるあまり、住宅ローンを優先してしまって他の支払いを滞納しているなどの例も見受けられます。
たとえば固定資産税や住宅ローン以外の会社の債務を滞納してしまっているのです。
仮に運よく他の債務の時効が完成し、時効援用に成功したとしても、時効援用だけでは根本的な解決になっていません。
税金を支払えない状況というのはそもそもの生活設計を見直さなければならない家計の状態であるわけですから、マイホームのローンが家計を圧迫している人なら家を売却する方向も含めて検討する、無駄な保険をかけすぎている場合は圧縮するなど、支出をスリム化することを考えていかなければならないのです。