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なぜ時効援用前にクレジットカードを作ってはいけないのか

2016.02.12 時効援用


時効援用すると信用情報はどうなるか?

貸金業者との最後の取引から5年(相手方債権者により10年のことも)何も請求などがなく、自分からも債務を認めるような行動がなければ消滅時効にかかり、時効援用することによって債務を免れることができます。時効援用するとブラックになるのではないか、その前にクレジットカードを作るべきではないかと考える人がいるようですが、このような場合は信用情報機関の情報にはどのように掲載されるのでしょうか?
消費者金融が多く加盟するJICCは、債務者が時効を援用すると完済という取り扱いをされるため不都合な情報が載ることはありませんが、クレジットカード会社が多く加盟するCICでは、時効援用は「貸倒」という形で5年間掲載されることになります。では、このようなことを考えてもやはり援用前に作っておいた方が良いのでしょうか?

その時にカードを作れたとしても結局使えなくなることも

もし、新規のクレジットカードを作れたとしても、その後に更新時期まで絶対に与信調査がないと考えるのは間違いです。「途上与信」といって、更新時期までの間に何か月に1回などの短いスパンで信用情報を見ている会社もあるのです。
一般の人が自分の信用情報を取り寄せることもできますがその場合は毎回費用がかかります。一方でカード会社の方は年間契約の形をとっていますから何回見てもコストは変わりませんし、照会を自動化しているためそこまで手間がかかるわけでもありません。特にステータスの低いカードほど信用力に疑問がある顧客が集まりやすく、注視する必要があるため頻繁に見られている傾向があると思ってよいでしょう。
ですから、無事作れたと思って安心していたらある日突然使えなくなったという状況もありますから、安易に「時効援用前に作っておくべき」とは言えないのです。

時効援用自体が難しいことを知っておく

そもそも、大手の業者を相手に時効を成立させること自体が難しいことなのです。顧客管理をきちんとシステム化して行っているクレジットカード会社が時効にかかることをみすみす見逃すはずはないと考えておくべきです。
時効は「債務者を請求すること」「債務者が債務を認めること」などで中断するわけですが、中断すればまたそれは0から期間の計算が始まることになります。債権者からの請求の電話に対して「そのうち払いますから待ってください」などと対応していれば債務の承認による時効中断となります。時効の成立自体が疑わしい、そしてうまく援用できる自信がないという人は、失敗できない手続きだけに法律家の力を借りた方が良いでしょう。


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