自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 任意整理
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
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2015.10.26 任意整理
任意整理すると会社の役員にはなれないの?
債務整理を行った人が、晴れて借金から解放された後、事業を始めて再生をはかろうとすることも考えられますが、そのような場合にどのような問題が起こってくるのでしょうか?
会社を起ち上げようと思ったときは、まず自分が会社の代表取締役や取締役等の役員になれるかどうかを確認しておく必要があります。以前の商法であれば、破産者は取締役の欠格事由に該当するとされていました。自己破産は裁判所を通じて厳格に行われる手続ですので、職業制限等の規定もありますし、ある程度の制限がかかってくることはやむを得ないことです。
しかし、現在では破産者も取締役の欠格事由からは外されています。そして、私的に債権者と交渉し、基本的には元本全部を返済していくタイプの任意整理ならば、なおさら取締役になるには何らの支障がないといえます。
破産者はいったん退任が必要、任意整理は制限なし
上記のように、現在は破産者であっても取締役に就任することはできると説明しましたが、すでに取締役の地位にある人についてはまた別の法律による規制がかかることになります。
会社法330条によると、取締役は会社との間で委任契約を結んでいる状態になっています。しかし、委任契約は当事者の破産によって終了するという民法の規定があるため、すでに取締役の地位に就いている人が自己破産してしまうといったん退任しなければならないことになります。その人を改めて選び直すことについては問題ないのですが、やはり会社側に破産の事実を知られてしまうことにもなるため抵抗感は拭えないでしょう。
しかし、任意整理の場合は職業制限が一切ありませんので他の理由がなければ会社に告げる必要もありません。そのような点で気兼ねせずに手続きをすることができるといえます。
融資を受ける場合は難しい
では、債務整理終了後に創業しようとする場合、何か問題になってくることがあるのでしょうか。
一番困るのは、事業を始めるにあたって資金の融資を受けようとしても、CICやJICCなど信用情報機関の事故情報に掲載されているため、特に手続き終了から5年以内であれば審査に通らない可能性が高いことでしょう。
しかし、これについては任意整理した人が代表取締役になる場合に代表者個人の信用情報を照会されるために起こる問題であって、他の人を代表者にして、自分は役員の一人(いわゆるヒラ取締役)として就任するのであればほぼ心配はありません。
そして金融機関以外の取引先などに知られることはまずないと考えてよいでしょう。自己破産とは異なり、任意整理は官報等に掲載されることもないからです。