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任意整理後の支払期間が長くなると、どんな問題があるの?

2017.07.29 任意整理


任意整理をすると、その後数年間、債権者への支払をしなければなりません。
返済期間が短くなると月々の返済額が上がってしまうので、「なるべく返済期間を延ばしたい」、というご相談を受けることがあります。

ただ、任意整理後の返済期間をあまり延ばしすぎると、かえって危険です。
今回は、任意整理後の支払期間が長くなると、どのような問題があるのかについて、解説します。

支払期間が長いと、月々の返済額が低くなる

みなさんは、任意整理後の月々の支払金額を、どのようにして決めていると思われますか?

任意整理をするときには、まずは借金の総返済額を決めます。たとえば、200万円借金がある人の場合、将来利息をカットしてもらって200万円を返済総額とします。
そして、これを5年以内に返済する計画を立てます。
たとえば、4年で返済するなら毎月4.15万円程度となりますが、5年で返済するなら毎月3.3万円となります。

このように、任意整理では、返済期間が延びると、その分毎月の返済額が減ります。
たとえば、200万円を7年で返済するなら、毎月2.4万円程度の返済額に落とすことができます。

途中で状況が変わるおそれ

任意整理をする方は、「なるべく月々の返済額を落としてほしい」と希望されることが多いです。そこで、「できるだけ返済期間を延ばしてほしい」と言われることがあります。しかし、あまり返済期間を延ばすと危険があるので、注意が必要です。

人間、生きている間にはいろいろな出来事が起こるものです。今と同じ状況が続く保証はありません。たとえば、返済中に結婚することも妊娠する(子どもができる)こともあるでしょう。転職したり失職したりするかもしれません。病気やケガをする可能性もあります。

こういったリスクは、返済期間が長くなればなるほど、高くなってきます。
返済期間を延ばしてしまうと、途中で状況が変わって返済ができなくなってしまうおそれが高くなるのです。

返済が嫌になってしまう

返済期間中に現実的な問題が起こらないとしても、あまりに支払期間が長くなると債務者が返済に疲れてしまう問題があります。

3年程度ならゴールが見えるので、「あと2年、あと1年、あと数ヶ月」などと思って支払を続けやすいのですが、これが「あと6年、あと5年」となってくると、「いつになったら終わるのか」と感じ、うんざりしてしまうでしょう。

また、任意整理後の返済を続けていることで、結婚やリスクのある(けれども飛躍できるかもしれない)転職の決断をすることができず、人生でのチャンスを逃してしまう可能性もあります。

以上のように、任意整理後の返済期間については、短すぎると返済が苦しくなるけれども、長くしすぎるとリスクが高まるので、ケースごとの調整が必要です。
自分では適切に判断することが難しいので、司法書士に相談して決定しましょう。


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