自己破産・個人再生相談所 お役立ちコラム 闇金
自己破産・個人再生などの事例や実績などを紹介して、より分かりやすく、自己破産・個人再生にして解説します!
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2021.12.18 闇金
年金受給をし始めるほどの高齢になると、なかなか働いて収入を増やすということが難しくなります。
そのため、現役時代に十分な収入を貯められないと、生活苦に陥ることも珍しくありません。
このような年金受給者をソフト闇金が狙っていることはご存知でしょうか。
このページでは年金受給者を狙うソフト闇金の手口と、その対処法についてお伝えします。
まずはソフト闇金がどのようなものか、またなぜ年金受給者を狙うのかについて確認しましょう。
ソフト闇金とは、貸金業登録がなく、出資法を超える利息で貸付をする点で、違法貸金業者なのですが、取り立てにあたって通常の闇金と異なり対応が柔らかであるものです。
「ソフト」とは対応が「ソフト」であるということを意味します。
貸金業を営むためには貸金業登録が必要ですし、貸付にあたっては利息制限法・出資法の上限を守らなければならず、取り立てについては貸金業法の取り立て規制を守らなければなりません。
闇金はこれらの法律に関する規制を一切守らずに営業するものです。
その中の手法の一つであるソフト闇金は、通常の闇金のように厳しい取り立てをしない方針で営業するのが基本であるという特徴があります。
しかし、貸金業法や出資法を守っていない時点で闇金には変わりありません。
この方法の最大の特徴は、ソフトな対応を基本としているため、被害にあっているという自覚を持ちづらく、警察や弁護士・司法書士への相談をなかなかしないことです。
そのため、ただでさえ闇金の正体を捕まえるのは難しいにもかかわらず、さらに発見を困難にしているので摘発しにくいといえます。
ソフト闇金の融資から回収までの手口を確認しましょう。
ソフト闇金はやはり違法な貸金業者なので、通常のような広告手法を取ることができません。
そのため、DM・SNSを使った集客を行います。
DMは自己破産・個人再生をしたときの官報への広告をチェックして送ってくることもあれば、名簿屋から購入をして電話番号を取得して携帯電話・スマートフォンのショートメッセージを利用することもあります。
また、ソフト闇金は実店舗などを持っていない上に、摘発が難しいことから、インターネットで堂々と広告しているものもあります。
インターネットホームページの利息や回収内容については虚偽のものであることがほとんどです。
貸付を受けると、闇金同様に10日に1割~の利率で返済をすることになります。
返済のペースも月に1回にするなどの文言で貸付をすると謳っていることもありますが、虚偽である可能性が高いので真に受けないほうが良いでしょう。
返済はその時に指定された個人名の銀行口座に対して行われます。
当然ですが、闇金を営むために口座を作ることはできないので、そのときに持っている違法に手に入れた口座を利用します。
口座は凍結されることもあるので、常に同じ口座を利用することはできませんので、返済の直前に闇金が指定をしてきます。
返済をしていて、返済が送れても最初のうちは対応がソフトであるのですが、返済をしないとやはり闇金なので貸金業法に違反する取り立て行為をしてくることもあります。
ソフト闇金は違法です。
まず、対応が通常の闇金に比べてソフトでも、やはり出資法を超える利息で貸付をしています。
出資法に違反することは犯罪そのものなので、違法と言わざるをえません。
また、登録がない時点で貸金業法違反で、こちらも犯罪となるものです。
違法な取り立てを行えば、その点についても貸金業法違反となります。
ホームページがあるからといって正規に営業をやっているわけではないので注意しましょう。
このようなソフト闇金は実は年金受給者をターゲットにすることが非常に多いです。
それはなぜでしょうか。
年金受給者ということは高齢者です。
そのため、通常借金をする際には、勤務先などの在籍確認を行いますが、これはきちんと働いていて返済をすることができることを確認するためです。
高齢者は、すでに定年を迎えて仕事をしていないか、仕事をしているにしてもシルバー人材などであまり高い収入を得られる見込みがありません。
そのため、銀行・消費者金融など、通常の貸金業者から借入をすることが難しいです。
医療費などで急に資金が必要となることも多く、借入先を探すのに四苦八苦することもあり、ソフト闇金のターゲットになりやすいのです。
いくらお金が必要である場合でも、返済できる資金がなければ融資をすることはできません。
年金受給者は、働いて返済をする収入はないものの、多くはなくても年金自体の支給はあるので、安定した収入はあります。
高齢者はたとえソフト闇金でもきちんと返済はしなければならないという考え方を持っている方も多く頑張って返済する傾向にあるので、貸付もしやすいため、ターゲットになりやすいのです。
高齢者がソフト闇金などのターゲットになる際に、年金を担保にする正当な貸金業者ですという説明を受けることがあります。
年金担保融資とは、文字通り年金受給権を担保にしてお金を借りる制度をいいます。
これは、独立行政法人福祉医療機構がおこなうもので、銀行などが窓口になって貸付が行われるものについては正当に認められている制度です。
年金受給権は譲渡はもちろん担保にすることも基本的には禁止されていますが、高齢者は医療費の支出などのために一時的に資金が必要となることもあることから、例外として認められているものです。
なお、年金担保融資は令和4年3月末で終了することが予定されています。
年金を担保に融資をしてくる闇金・ソフト闇金がいます。
これは年金手帳と、年金が振り込まれてくる通帳・その通帳から引き出しをするための印鑑を担保とする約束をして郵送させるものです。
通常の年金担保融資では、これらの物を直接担保として預かるようなことはしません。
年金担保融資については、使途が決まっていたり、融資にあたって独立行政法人福祉医療機構が指定する窓口となる銀行での申し込みが必要であったり、融資に長期間かかる審査が必要であったりします。
しかし、年金担保融資に偽装したソフト闇金などは、貸付をしたお金の使途は問いませんし、融資も電話口のみでOKですし、貸付にあたっては「即日融資」「スピード融資」などと謳っています。
年金担保融資は、10万円~200万円までの融資をするものです。
しかし、年金担保融資に偽装したソフト闇金などのほとんどは5万円程度の極めて小口の貸付をして、少ない年金から高利を貪るのです。
このようなソフト闇金について、法律上はどのような義務を負っているのでしょうか。
通常の貸金業者からお金を借りた場合には、元金とともに毎月の返済時期に利息をつけて返済し、返済が滞ると遅延損害金の支払いをする義務があります。
しかしソフト闇金には実は元金を含めて一切の返済をする法律的な義務がありません。
民法708条は、不法な原因である給付についての返還義務を否定しています。
違法な目的でされたものの返還を法律が助力することは、違法行為そのものを助力することになりかねないので、違法な行為には一切手を科さないとするものです。
ソフト闇金は、出資法・貸金業法に違反する行為で違法なので、元金すら返済義務がないとされています。
とはいえ、返済をしなければ法律を無視した取り立てをすることになるので、別途対応が必要です。
ソフト闇金は出資法・貸金業法に違反しており犯罪です。
であれば、警察に相談して介入してもらえば、すべて解決するのではないのでしょうか。
実はソフト闇金の問題には警察は介入しづらいのが現状です。
まず、ソフト闇金は警察などが介入してくると、個人での貸付でソフト闇金などではないと主張することが多いです。
警察に「闇金なんです」と主張しても、相手が「個人間のお金の貸し借りだ」と主張すると、警察としてはどちらの言い分が正しいか判断をしなければなりません。
何らの証拠もなくソフト闇金であると主張するだけでは警察も相手にしてくれませんし、対応がソフトで実害がないうちは警察も「無視をしてよいです。
なにか被害があれば相談してください」として追い返されることも多いです。
すでにソフト闇金でお金を借りてしまった場合にはどのような対応をすれば良いのでしょうか。
闇金については返済をすればするほど、「このひとは返済ができる人」と考えて取り立てをしてきます。
そのため、返済をやめることが解決のために必要です。
返済をやめれば当然取り立てを受けることになるので、その対応が必要です。
取り立ては違法な携帯電話やスマートフォン・他人名義の口座を利用して行われます。
そのため、これらの携帯電話やスマートフォン・他人名義の口座が使えなくなることが、ソフト闇金にとっては一番の痛手です。
ソフト闇金からの違法な取り立てに対して、弁護士・司法書士は携帯電話・スマートフォンの利用停止や、銀行口座の凍結などに向けた手続をすみやかにおこないます。
そのため、ソフト闇金は、弁護士・司法書士が介入しただけで手をひくこともあるのです。
弁護士・司法書士に依頼するには費用がかかりますが、多くの場合には分割でも受け付けてくれるので安心して任せましょう。
お金が必要となってもソフト闇金には頼らないことが必要です。
そこで、ソフト闇金に頼らないでお金を工面できる方法を考えてみましょう。
まず、お金が必要な理由が消費者金融などへの返済である場合には、過払い金がないかを確認してみましょう。
2010年6月に出資法の上限利率が現在の利率(上限年20%)になるまで、出資法の上限利率が同じく民事上の上限利息を定める利息制限法よりも高い時期がありました。
貸金業者としては犯罪にならなければよいという観点から、利息制限法の利息は超えても出資法の利息は超えない、いわゆるグレーゾーン金利で貸付をすることが横行していました。
グレーゾーン金利については最高裁判所で無効とされており、その部分については残高を減らせる場合や、逆に貸金業者にかえしてもらうように請求できる場合があります(過払い金)。
非常に長い間借り入れをしているような場合には、過払い金請求をすることも検討しましょう。
もし過払い金請求ができる場合には、取り戻しをするためには早くても4ヶ月程度はかかるので、早めに行動をするのが鍵となります。
お金が必要な理由が借金返済にある場合には債務整理も検討しましょう。
収入が年金しかない場合、借金返済を継続することが困難なことが多いです。
個人再生・任意整理で返済をしていくのは難しく、自己破産手続きを利用して借金・債務から免除してもらうことが現実的です。
なお、自己破産をしても、年金はそのまま受け取ることが可能なので安心しましょう。
生活に必要なお金が足りない場合には、市区町村が行なっている生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。
市区町村が生活に必要なものを揃えるために行う貸付の制度として用意しているの生活福祉資金貸付の制度です。
市区町村の社会福祉協議会が窓口となっており、生活再建と併せて相談をすることができます。
緊急小口資金ですぐに貸し付けてくれるものもあるのですが、基本的には審査に2ヶ月程度かかることもあるので、早めに相談をしましょう。
このページでは、高齢者を狙うソフト闇金についてお伝えしてきました。
ソフト闇金は見た目には利用者に親切なようにも見えますが、その中身は違法な金利での貸付を行うものです。
すでに利用している場合には、弁護士・司法書士に依頼して早めに対策をするようにしましょう。