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ソフト闇金とは?闇金や適法業者との違いと対処法を解説

2021.10.27 闇金


闇金といえば、高金利で怖い人が取り立てを行うといったイメージがあります。

しかし最近では、従来の取り立てとは違った「ソフト闇金」という優しく圧力をかける業者がいるのはご存知でしょうか?

ここでは、ソフト闇金の特徴や手口、借りてしまったときの対処法などを解説します。

ソフト闇金は違法な闇金のひとつ

ソフト闇金とは、丁寧な口調とソフトな対応で接してくる業者を指します。

従来型の取り立てといえば、債務者に脅迫まがいの高圧的な態度で行っていました。

また、返済能力を超えているにも関わらず、闇金業者からの誘いで新たな借金をする「多重債務」も社会問題化され、自殺に追い込まれるケースもありました。

この多重債務者問題を受け、平成18年に貸金業法の一部改正が公布され、上限金利の引き下げや総量規制の導入などの規制が強化されました。

現在は、脅迫まがいの取り立ては少なくなっているものの、優しい対応でじわじわ追い詰める「ソフト闇金」が登場しています。

多少の融通を聞いてもらえるケースもありますが、高金利で違法行為であることは間違いありません。

ソフト闇金の特徴

ソフト闇金は、以前のような怖い人が取り立てるイメージとは異なります。ここでは、ソフト闇金の特徴について解説します。

貸金業の無登録営業

ソフト闇金の特徴として、そもそも貸金業の登録を行っていないという点です。

貸金業を営むためには、国または都道府県に登録が必要となります。

申請者等の本人確認や各営業店への主任者の設置を義務付けるなど、登録審査を通過しなければなりません。

金利が異常に高い

法律で定められた上限を大幅に超える金利で貸し付けることがあります。

利息制限法では、元金10万円未満は、上限金利を年20%までとなっています。

取り立てが穏やかである

取り立ては脅迫や暴力などがなく、警察沙汰を避けるため比較的穏やかに対応することが多いです。

また、返済日を過ぎたとしても融通を利かせてくれることもあります。

無店舗営業がほとんど

ソフト闇金は違法業者のため店舗を構えず、スマホを利用したLINEやTwitterなどでやり取りをするケースが多くなっています。

ソフト闇金の違法性

ソフト闇金は、違法な手口で融資する貸金業者に変わりありません。どのような法律に違反しているのでしょうか?一つずつ見ていきましょう。

出資法違反

2010年6月18日に出資法の上限金利が29.2%から20%に引き下げられています。

つまり、年20%より高い金利であれば出資法違反となります。

出資法には刑事罰があり、違反すると5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金,または併科されます。(出資法5条2項)

貸金業法無登録営業

貸金業を行うためには、国や都道府県に登録が必要です。(貸金業法3条)

また、3年ごとに登録を更新しなければなりません。

審査が通ると登録番号が付されますが、ソフト闇金業者は登録を行っていないため違法となります。

不法原因給付

民法708条に「不法原因給付」という規定があります。

「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」(参考:「民法708条」)

つまり、ソフト闇金業者は不法な原因で貸付けを行っているので、借りたお金を返還する必要はありません。

闇金融対策法

闇金融対策法では、申請者等の本人確認や金利貸付け、無登録営業に関する罰則が強化されています。

  • 高金利違反の場合は、5年以下の懲役、1千万円(法人の場合3千万円)以下の罰金
  • 無登録営業は、5年以下の懲役、1千万円(法人の場合1億円)以下の罰金

ソフト闇金の手口

ソフト闇金業者の手口は、それぞれある特徴があります。

丁寧な対応

ソフト闇金では闇金のような脅迫まがいの対応とは異なり、丁寧な対応で、親身になって話を聞いてくれるという特徴があります。

したがって闇金業者と気づきにくいこともあります。

こうした丁寧な対応には、お金を借りてほしいという意図があります。

サラリーマンの様な風貌

闇金業者であれば、強面の人が脅迫まがいで追い詰めるような取り立てを行うことがありますが、ソフト闇金では、サラリーマンの様な風貌で優しく対応します。

お金の悩みは親身に対応するので、ついつい信頼してお金を借りてしまうのです。

融資条件を教えてくれる

闇金では、法律で定められた上限を大幅に超える高金利で貸付を行うことがほとんどですが、ソフト闇金では、ホームページに利息や手数料が記載されていることが多いです。

例えば、7日で30%、10日で20%など法外な金利を掲載しており、高金利を知った上で契約することになります。

業者の所在地が不明

ソフト闇金は、警察の取り締まりを回避するため店舗を構えず、所在地不明なケースが多いです。

店舗がないので電話やメールを中心にやり取りしますが、前述のソフト闇金の特徴で述べた通り、スマホを利用したLINEやTwitterなどでやり取りするケースも増えています。

ソフト闇金5社の金利

ソフト闇金5社の金利を例としてご紹介します。

融資金額30,000円のケース

A社:金利5%、返済周期1週間、手数料4,000円
B社:金利20%、返済周期1週間、手数料3,000円
C社:金利20%、返済周期1週間、手数料3,000円
D社:金利10%、返済周期2週間、手数料4,000円
E社:金利40%、返済周期10日、手数料5,000円

 

融資金額 利息 手数料 振込み金額
A社30,000円 1,500円 4,000円 24,500円
B社30,000円 6,000円 3,000円 21,000円
C社30,000円 6,000円 3,000円 21,000円
D社30,000円 3,000円 4,000円 23,000円
E社30,000円 12,000円 5,000円 13,000円

 

ソフト闇金業者の見分け方

ソフト闇金業者は以前の闇金業者と異なり、見分けるポイントがあります。それぞれ解説します。

①ソフト闇金と名乗っている

ホームページですでにソフト闇金と名乗っているサイトがあります。つまり、ソフト闇金業者の可能性が極めて高いです。

②「審査不要」「即日融資可能」等の誇大広告

「審査不要」「即日融資可能」等の誇大広告や「ブラックOK」などの記載がある場合は、ソフト闇金業者の可能性があります。

「即日融資」は、最短で10分や最長でも30分など、ほとんど審査をしていないことになります。

また「ブラックOK」とは、信用情報に事故情報が掲載されている方を指します。

③法外な高金利による貸し付け

貸金業法、出資法により貸付けの上限金利が年15〜20%と定められています。

しかし、ソフト闇金では、「1週間で10%」「1ヶ月で10%」「1ヵ月で30%」などと、法外な高金利による貸付けを行っています。

利息は必ず「年率」で確認しましょう。仮に1か月で10%であれば、1年で120%となり違法となります。

④業者の所在地が不明確

ソフト闇金と見られるホームページを見ると、所在地やアクセス方法、会社概要の掲載がないところが多いです。

会社名は記載されていても住所が記載されていないことが多いため、ソフト闇金業者とわかります。

取り立てや恫喝が起きる可能性

ソフト闇金といっても闇金業者であることは間違いありません。

以前の闇金業者のように取り立てや恫喝が激しくなる可能性は低いですが、早朝や深夜にしつこく電話をするといった行為もあるかもしれません。

ソフト闇金に狙われる人の特徴

ソフト闇金に狙われる人は、以下のような特徴があります。

正規業者で借入が出来ない人

次に挙げるような人は銀行などから借り入れができないため、どうしても闇金から狙われやすい傾向にあります。

ブラックリストに乗っている

「ブラックOK」と謳っているソフト闇金業者のホームページが多くあります。したがって、信用情報に金融事故が記載されている方はソフト闇金のターゲットにされていると言えます。

多重債務者

多重債務者は、一般的な消費者金融から借り入れができない場合があります。

その多重債務者に返済能力を超える金額を故意に貸付けて、高額な利息を支払わせようとする悪質なソフト闇金業者も存在します。

自己破産している

自己破産をすると、国が発行する官報に掲載されます。官報は誰でも見る事ができ、ソフト闇金業者がこれらの官報を見ている可能性が高いので、ターゲットにされやすいと考えられます。

収入が足りず借入出来ない学生や主婦

収入が少なく、借り入れが出来ない学生や主婦は、一般的な消費者金融から借り入れができないので、ソフト闇金を利用する方が少なくありません。

返済義務はない

ソフト闇金業者は不法な原因で貸付けを行っているので、民法708条の不法原因給付に該当します。よって、利息だけでなく元本も返済する必要がありません。

ソフト闇金自体が違法営業なので、借りた人に返済請求をすることができません。

実際に返済義務がないことは、最高裁判所平成20年6月10日判決で示されています。

既にソフト闇金でお金を借りてしまっていたら

ソフト闇金でお金を借りてしまっていたら、以下の対策を検討しましょう。

弁護士・司法書士に相談

高圧的な態度でなくてもしつこく電話などで追い詰めるようであれば、法律の専門家である弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。

代理人として電話連絡や内容証明を通知することで、ソフト闇金の嫌がらせなどを止めてもらえます。

まずは返済をやめる又はしない

前述の通り、ソフト闇金の貸付けは不法原因給付に該当するので、まずは返済をやめる又はしないことが重要となります。

業者から追い詰める行為があっても、落ち着いた行動を取ることが大切です。

警察に相談

取り立てが悪質であったり、身の危険を感じる場合は警察に相談しましょう。当然、ソフト闇金業者は警察の介入を嫌うので、一定の効果が期待できます。

また、警察に相談する場合は費用がかかりません。相談する際は、電話の録音や法外な金利がわかる証拠を準備しておきましょう。

どうしてもお金が必要でもソフト闇金には頼らない

お金が必要でもソフト闇金に頼らない方法もあります。それぞれ解説します。

過払金の見直し

2010年6月17日以前に借り入れを行い、利息制限法の上限を超えて払いすぎていた場合に過払い金として請求できる可能性があります。

ただし、借金を完済もしくは最終取引から10年以内に請求する必要があります。

2010年6月17日以前は、出資法で定められた年29.2%と利息制限法で定められた年15.0~20.0%の差が生じる「グレーゾーン金利」がありました。

出資法の年29.2%を超えると刑事罰の対象となりますが、利息制限法の上限を超えていても出資法の上限を超えなければ刑事罰は科せられませんでした。

したがって、出資法と利息制限法の間にある金利については、刑事罰はなかったためグレーゾーン金利と呼ばれるようになりました。

しかし、貸金業法改正で出資法の上限金利を15~20%まで引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。

生活福祉資金貸付制度の利用

所得の少ない世帯や障害者のいる世帯、高齢者世帯などに低金利での経済的援助をする制度です。

市区町村社会福祉協議会と地域の民生委員が支援します。生活福祉資金貸付制度は「世帯」単位で利用することができます。

日本国籍が条件となっていないため、外国籍の方も利用することができます。ただし、住まいがない人は借りられません。

一方、貸付けなので必ず返済する義務があります。返済ができない生活困窮者は利用することができません。

また、すでに生活保護を受けている人などは、生活福祉資金貸付制度の利用ができません。

債務整理を行う

債務整理とは、債務の減額や免除を法的に受けられる制度です。任意整理や自己破産、個人再生などの種類があります。

どうしても借金の返済ができない場合は、これらの利用を検討してみるのもひとつです。

まとめ

本記事では、ソフト闇金の特徴や手口、金利などを詳しく解説しました。

そもそも優良なソフト闇金業者は存在しないので、貸金業登録をしていない違法な高金利での貸付けを行う犯罪者です。

悪質な取り立てがあれば、弁護士や司法書士に相談し、場合によっては警察に相談することも必要となります。

どうしてもお金が必要であれば、違法なソフト闇金を頼らず、生活福祉資金貸付制度の利用や債務整理なども検討しましょう。


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